常設展では、春夏秋冬年4回の展示替えとともに、選りすぐりの資料を期間限定で紹介するコーナーを設けています。
2018年夏の常設展では、山中湖畔に山荘を持ち、地元の俳人と親しい交流を持った高浜虚子(たかはま きょし) について紹介します。
愛媛県生まれ。本名は清。
1891(明治24)年より、正岡子規に句を学び、1897年「ホトトギス」を継承。
1937(昭和12)年、62歳の初秋、『ホトトギス雑詠選集』選句のために山中湖畔を訪れます。1940年に最初の山荘を建てるが火災により焼失、隣の古小屋を修復して老柳山荘(ろうりゅうさんそう)と呼び、1957年までのほとんどの夏を過ごしました。地元の俳人・柏木白雨(かしわぎはくう)らの呼びかけにより開かれた句会は、その日食べた蕎麦が美味しかったことから、虚子が新蕎麦会と名づけ1957年まで続けられました。
山荘には1943年に虚子の「選集を選(えら)みしよりの山の秋」句碑が建てられます。
☆ 写真:第1回新蕎麦会の日
高浜虚子は、富士北麓の俳人との句会を「新蕎麦会」(しんそばかい) と名づけた。中央が虚子。
【開催概要】
名 称: 平成30年度 夏の常設展
会 場: 山梨県立文学館 2F 展示室A
会 期: 2018年6月5日(火)~2018年8月26日(日)
休 館日: 月曜日(7月16日、8月13日は開館)、7月17日(火)
開館時間: 9:00~17:00(入室は16:30まで)
主 催: 山梨県立文学館
【観覧料】一般:320円(250円)、大学生:210円(170円)
*( )内は20名以上の団代料金、前売料金、県内宿泊者割引料金
*高校生以下の児童・生徒は無料
*65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
*障害者手帳をご持参の方はご本人と介護の方1名が無料
高浜虚子 「春風や闘志いだきて丘に立つ 」軸装 当館蔵
髙浜虚子 「春風や闘志いだきて丘に立つ 」軸装
髙浜虚子「木蔭へと入れば涼しやそれまでは」短冊
髙浜虚子「三省楼酔時 雪を省み花を省み春の富士」短冊
新蕎麦会選句稿綴り
柏木白雨「夕富士のほの紫や花の上」短冊
「山梨ほとゝぎす俳句大会」チラシ 1952(昭和27)年7月25日
このほか、「飯田蛇笏・飯田龍太記念室」では、夏の俳句の書画を中心に、展示します。 樋口一葉、芥川龍之介、太宰治など、山梨出身・ゆかりの作家コーナーの資料を一部入れ替えます