山梨県の北巨摩地方は、八ヶ岳南麓を中心にした美しい自然に恵まれた地域である。芥川龍之介・若山牧水・前田普維或いは深田久弥などはこの地を訪れ、人と風向に親しんだ。
その印象は、文章に綴られ、優れた詩歌に結実した。一方この地方に長年にわたって培われた文学風土は、俳諧結社「蕪庵」、幅広い文芸活動に関わった堀内柳南、歌人小尾保彰、宮沢賢治の友人保阪嘉内、同人誌「中央線」に集う人々、芥川賞作家小尾十三、農民文学の山田多賀市、文芸評論家相田隆太郎など出身在住の文学者たちを育み、多彩な作品を生んだ。
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