世代をこえて多くの人々に愛されている「赤毛のアン」。
この作品を日本で初めて翻訳し紹介した花岡花子(1893~1968)は、山梨県甲府市に生まれました。5歳で東京に移り、21歳の時ふたたび、山梨英和女学校の教師として甲府へもどって、ここでの5年間で作家としての足がかりを築きました。子どもも大人も楽しめる家庭文学をめざした花子の文学の基本には、東洋英和女学校で身につけた英米文学への深い教養がありました。一方で、歌人・佐々木信綱のもとで短歌を学び、折々の心を歌に残した青春時代がありました。明治・大正・昭和の激動の時代を生きた花子の波乱にみちた生涯と、その文学を紹介します。