常設展では、春夏秋冬年4回の展示替えとともに、選りすぐりの資料を期間限定で紹介するコーナーを設けています。
秋の常設展では、武田泰淳(たけだ たいじゅん)の資料を期間限定で公開します。
泰淳は、1964(昭和39)年に南都留郡鳴沢村の富士桜高原に山荘を建て、東京の自宅とを往復しながら滞在していました。代表作の一つである長編小説「富士」は、1969年から2年にわたって文芸雑誌「海」に連載され、終戦直前の富士山麓にある精神病院を舞台に、人間の正常と異常を鋭く描きました。
武田泰淳 たけだ たいじゅん 1912~1976
東京生まれ。住職の次男として生まれ育ち、父の師・武田芳淳の跡を継ぎ武田姓となる。1931(昭和6)年、東京帝国大学支那文学科に入学、1934年に竹内好らと中国文学研究会を作る。1937年に召集を受け、2年間中国に派遣される。1944年6月に再び上海に渡り、中日文化協会に就職、上海で敗戦を迎える。
戦後、上海での体験を元に「審判」「蝮のすゑ」「風媒花」「ひかりごけ」などを発表。「森と湖のまつり」「富士」などの長編小説も多数描く。
【会 場】山梨県立文学館 展示室A
【展示期間】2016年8月30日(火)-12月4日(日)
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌日、11月21日は開館いたします)、11月24日(木)
【時間】9:00-17:00(入室は16:30まで)
【観覧料】
常設展 | ||
個人 |
団体(20名以上) |
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一般 |
320円 |
250円 |
大学生 | 210円 | 170円 |
65歳以上の方、障がい者及び介護者、並びに高校生以下の児童・生徒の観覧料は無料です。
県内宿泊者は団体料金となります。
武田泰淳『富士』特製愛蔵本
1972年10月 中央公論社
主な展示資料
・武田泰淳『富士』特製愛蔵本
1972年10月 中央公論社
・司 修『富士』挿絵原画エッヂング
・武田泰淳「小事」原稿
「文藝時代」1948年8月掲載
・武田泰淳「L恐怖症」原稿
「近代文学」1949年9月掲載
・武田泰淳「勝負」原稿
「改造」1952年4月掲載
・武田泰淳「士魂商才」原稿
「文学界」1957年1月掲載