展覧会


展覧会情報

平成30年度 春の常設展 期間限定公開「竹中英太郎と竹中労」 
2018年3月13日(火)~2018年6月3日(日)

開催概要

   常設展示室では、春夏秋冬年4回の展示替えとともに、選りすぐりの資料を期間限定で紹介するコーナーを設けています。

2018年春の常設展は、昭和初期、江戸川乱歩や横溝正史、夢野久作らの探偵小説・怪奇小説の挿絵画家として一世を風靡した竹中英太郎と、その息子でルポライターとして多方面に活躍した竹中労、ふたりの作品と仕事を紹介します。   

○ 出品協力 湯村の杜 竹中英太郎記念館 (会期中一部入れ替えがあります)

  ◎写真:竹中英太郎(右)と竹中労(左)父子

 

竹中英太郎 たけなか えいたろう 19061988 

 

福岡県福岡市に生まれる。1歳で父を亡くし、熊本へ移って後、十代の半ば頃から労働運動に参加。18歳で上京後、生活のために雑誌の挿絵を描く。1927(昭和2)年、大下宇陀児「盲地獄」(雑誌「クラク」)の挿絵を手がけ、翌年、博文館の「新青年」に江戸川乱歩の「陰獣」の挿絵を発表すると、作品の評判と共に一躍注目を浴び、挿絵画家として名声を高める。1935(昭和10)年、横溝正史の「鬼火」(「新青年」)の挿絵、『名作挿画全集』第4巻(平凡社)に乱歩の「陰獣」「大江春泥作品画譜」を書き下ろしで発表したのを最後に、挿絵画家としての活動を絶つ。

1936年、満洲へ渡り「月刊満洲日本版」刊行に携わるが、翌々年帰国。1942年、妻の郷里である山梨県甲府市に疎開した。1944年、山梨日日新聞社に入社するが1949年に退社。前後して労働運動や会社経営、「情報山梨」での評論活動などに携わった。

1967(昭和42)年、長男労の依頼で映画「祇園祭」のイメージカットを執筆。これは未使用となったが、その一部が翌年、「話の特集」で労の「週刊誌の害について」タイトル画として使用され、約30年ぶりに全国誌に作品が登場した。以後、労の著作の装丁・挿画や、労が制作に関わったレコードのジャケットなどを手がけた。1988年4月8日、虚血性心不全で死去。2004(平成16)年、甲府市湯村に「湯村の杜 竹中英太郎記念館」が開館した。

 

 

 

【開催概要】

名  称: 平成30年度 春の常設展

会  場: 山梨県立文学館 2F 展示室A

会  期: 2018年3月13日(火)~2018年6月3日(日)

休 館 日: 月曜日(4月30日は開館)、3月22日(木)    

        開館時間: 9:00~17:00(入室は16:30まで)

主  催: 山梨県立文学館

 

 

【観覧料】一般:320円(250円)、大学生:210円(170円)

*( )内は20名以上の団代料金、前売料金、県内宿泊者割引料金

*高校生以下の児童・生徒は無料

*65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)

*障害者手帳をご持参の方はご本人と介護の方1名が無料

おもな展示資料

竹中英太郎 原画(前後期入れ替えがあります)

  「悪夢」(江戸川乱歩作、後「芋虫」と改題)挿画(「新青年」1929年1月 掲載)*

  「芙蓉屋敷の秘密」(横溝正史作)挿画(「新青年」昭和5年6月 掲載) *

  「ココナットの實」(夢野久作 作)挿画(「新青年」昭和6年4月 掲載) *

  「盲獣」(江戸川乱歩作)挿画(「朝日」昭和7年1月 掲載) *

  「沖縄の舞姫」(1970年「日本禁歌集三 海のチンボーラー」 レコードジャケットに使用) *

  「沖縄の舞姫」(1975年「沖縄―祭り・うた・放浪芸」レコードジャケットに使用) *

  「無頼と荊冠」(竹中労著 1973年9月 三笠書房 カバーに使用)  *

 

図書・雑誌

「クラク」第6巻第11号(1927年11月) 大下宇陀児「盲地獄」掲載

「新青年」第9巻第11号(1928年9月) 江戸川乱歩「陰獣」掲載

『名作挿画全集』第4巻 1935年 平凡社                      ほか

* は、「湯村の杜 竹中英太郎記念館」出品資料