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令和元年度夏の常設展  期間限定公開  開館30周年記念 近代文学の名作3  芥川龍之介 「或阿呆の一生」
2019年6月4日(火)~ 8月25日(日)

開催概要

常設展示室では、春夏秋冬年4回の展示替えとともに、選りすぐりの資料を期間限定で紹介するコーナーを設けています。2019年は開館30周年を記念し、「近代文学の名作」を直筆の原稿、草稿(下書き)により紹介。

その第3弾として、芥川龍之介の遺稿「或阿呆の一生」の原稿を展示します。

◎写真: 芥川龍之介 「或阿呆の一生」原稿 「改造」1927(昭和2)年10月号掲載

 

 

■ 芥川龍之介 あくたがわ りゅうのすけ 18921927 

小説家。東京生まれ。

1916(大正5)年、「鼻」が夏目漱石に賞賛され、文壇に登場。「羅生門」や「芋粥」など古典を材料にした作品から「秋」などの現代小説も試み、大正期を代表する小説家として活躍しました。「我鬼(がき)」や「澄江堂(ちょうこうどう)」の号で俳句も手がけ、高浜虚子や飯田蛇笏から高い評価を得ました。大正の終わり頃から体調を崩し、精神的にも不安定な状態となり、 1927(昭和2)年7月24日、みずから命を絶ちました。

 

■ 「或阿呆の一生」 あるあほうのいっしょう

芥川が亡くなった後、「改造」1895(明治28)年10月号に掲載された小説。 

原稿の一枚目を見ると、表題が、最初は「彼の夢」に「自伝的エスキス」という副題が添えられていたことがわかります。さらに、「彼の夢」を消して「神話」と書き替え、最終的に「或阿呆の一生」となりました。

本作は51章の短編から構成され、主人公の「彼」は芥川自身と考えられています。学生時代(「一 時代」)から、師である夏目漱石との出会い(「十一 夜明け」)、関東大震災(「三十一 大地震」)など、芥川の生涯が年代順に配され、最終章は「敗北」という題で締めくくられています。  

この原稿には、前書きとして友人の久米正雄に宛てた「昭和二年六月二十日」付の私信が付され、そこには「この原稿を特に君に託するのは(略)誰よりも僕を知つてゐると思ふからだ」と記されています。

【開催概要】

名  称: 令和元年度 夏の常設展

会  場: 山梨県立文学館 2F 展示室A

会  期: 2019年6月4日(火)~8月25日(日)

休 館 日: 月曜日(7月15日と8月12日を除く)、7月16日(火)    

        開館時間: 午前9:00~午後5:00(入室は午後4:30まで)

主  催: 山梨県立文学館

 

【観覧料】一般:320円(250円)、大学生:210円(170円)

*( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金

*高校生以下の児童・生徒は無料

*65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)

*障害者手帳をご持参の方、およびその介護をされる方は無料

おもな展示資料

・芥川龍之介「或阿呆の一生」原稿 

・芥川龍之介「或阿呆の一生」前書き原稿

・「改造」1927(昭和2)年10月 

*会期中に一部、展示替えを行います。