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展覧会情報

冬の常設展 期間限定公開
山梨の文学碑3
前田 晁(まえだ あきら)「一人の心は万人の心 文化の根源はここにある」
山梨市民会館 玄関南(左)側  
2020年12月1日(火)~2021年3月7日(日)

開催概要

*常設展示室では、春夏秋冬年4回の展示替えとともに、選りすぐりの資料を期間限定で紹介するコーナーを設けています。

2020年は「山梨の文学碑」をテーマとし、冬の常設展では山梨市民会館(山梨市万力1830番地)の南(左)側に建つ前田晁の文学碑を紹介します。

 

 

■ 前田 晁(まえだ あきら)について  

1879(明治12)年1月、山梨県山梨市北で生まれました。八幡(やはた)尋常小学校卒業後、働きながら勉学を続け、早稲田大学哲学及び英文学科に入学。卒業後、明治時代を代表する出版社である博文館に入社し、自然主義文学の一つの拠点となった雑誌「文章世界」(田山花袋主筆)の編集にあたりました。一方、自らも小説・翻訳・評論等を発表しました。1909(明治42)年、甲府市貢川出身の長田ひさの(のちの児童文学者の徳永寿美子)と結婚。博文館を退職した後も精力的に執筆活動を続け、『陥穽(かんせい)』『クオレ』『ロビンソン漂流記』など数多くの翻訳本を出版しました。1925(大正14)年には、中村星湖・川合仁・望月百合子らと在京の県人文化団体「山人会(さんじんかい)」を結成。翌年、「山梨日日新聞」の文芸欄「創作」の選者となりました。1937(昭和12)年、日本児童文化協会を設立し、児童文学の普及にも力を注ぎました。1933(昭和8)年、恩師坪内逍遙からの依頼により、少年少女のために『少年国史物語』を執筆、出版。その後、廉価版、改訂増補版、限定版を出版しましたが、改訂版の執筆途中でこの世を去ってしまいました。82歳でした。1987(昭和62)年、晁の活動をたたえ、文化芸術分野で功績のあった人たちを顕彰することを目的に、山人会によって前田晁文化賞が設立されました。

 

■ 前田晁文学碑

 「一人の心は万人の心 文化の根源はここにある」

   山梨市民会館 玄関南(左)側

晁の満80歳を記念して、山梨市及び山人会によって建てられ、1959(昭和34)年11月1日に除幕式が行われました。式には前田夫妻、伊藤整、村岡花子、山人会会長の川合仁、当時の山梨市長古屋俊一郎をはじめおよそ300人が参加しました。題字は窪田空穂(うつぼ)、裏面の文と書は中村星湖(せいこ)によるものです。

この碑は初め千鳥湖畔に建てられましたが、そこが山梨市民会館の建設用地になったため、現在の場所に移され、1977(昭和52)年9月、会館の完工式後、再度除幕式が行われました。

 

 


■ 主な展示資料

  ・前田晁筆 「一人の心は万人の心 文化の根源はここにある」一枚物

  ・中村星湖 「前田晁文学碑建立を祝う漢詩」短冊

  ・「前田晁文学碑建設趣意書」

                                ほか


 

*このほか、「飯田蛇笏・飯田龍太記念室」では、夏の俳句の書画を中心に展示します。

樋口一葉、芥川龍之介、太宰治など、山梨出身・ゆかりの作家コーナーの資料を一部入れ替えます。

 

 

【常設展第5室(展示室B)】                        

2020年10月3日(土)~2021年3月7日(日)は、詩・短歌・俳句・川柳・漢詩のジャンルの作家を展示しています。

 


開催概要

名  称: 2020(令和2)年度 冬の常設展 期間限定公開         

      山梨の文学碑3

                  前田  晁「一人の心は万人の心 文化の根源はここにある」

会  場: 山梨県立文学館 2F 展示室A

会  期: 2020年12月1日(火)~2021年3月7日(日)

休 館 日: 月曜日(1月11日は開館)、12月26日(土)~1月1日(金)、

                 1月12日(火)~1月19日(火)   

       開館時間: 午前9:00~午後5:00(入室は午後4:30まで)

主  催: 山梨県立文学館