「羅生門」や「歯車」など近代小説の名作で知られる芥川龍之介(1892~1927)は旅が好きで、北は北海道から南は九州まで足を運んでいます。また、当時としては珍しく海外にも旅行し、中国各地を訪れました。山梨・長野への徒歩旅行、失恋の傷を癒やした松江での日々、東北から北海道にかけての講演旅行など、目的は様々でしたが、各地での見聞は芥川の生活や作品に影響を与えました。当館の芥川コレクションを中心に、芥川の旅の軌跡をたどります。
【名称】特設展「芥川龍之介 生誕130年 旅の記憶」
【会場】山梨県立文学館 展示室C
【会期】2022年4月23日(土)~6月19日(日)
【休館日】月曜日(5月2日は開館)
【開館時間】9:00~17:00(入室は16:30まで)
【観覧料】常設展観覧料でご覧いただけます
一般 330円(260円) 大学生 220円(170円)
※( )内は20名以上の団体料金・県内宿泊者割引料金です。
※高校生以下の児童・生徒、65歳以上の方、障害者手帳を
ご持参の方、およびその介護をされる方は無料です。
「日誌」より
芥川が東京府立第三中学校4年生・16歳の夏休みに書いた日記。
1908(明治41)年7月24日に友人の西川英次郎と東京を出発、26日に甲府に泊まり翌日に昇仙峡を訪れた。甲府から同級生の上滝嵬(こうたきたかし)に手紙を出し、昇仙峡の眺めを称え、「この青い水に紫の藤が長い花をたらしたならさだめて美しい事と思ふ」と書いたことを記している。
◎初展示
芥川が書いた松江での見聞を読みこんだ俳句草稿。
1915(大正4)年8月、家族に反対されて吉田弥生との結婚をあきらめた芥川を慰めるため、親友の井川恭(いかわ きょう)が芥川を故郷の松江に招き、約3週間を共に過ごした。「井」は井川の作、「阿」は芥川の作。
◎初展示
1920(大正9)年8月、宮城県青根温泉の湯治場に約1ヶ月逗留した時の「御宿料記」
中には「御飯壱合 五銭二厘」「サイダー四本 壱円四十銭」など毎日の会計が記されている。滞在中「中央公論」9月号掲載のための原稿(「お律と子等」)執筆に励んだが、10月号の掲載となった。
1919(大正8)年5月、初めて長崎を訪れた際に素封家永見徳太郎(右端)の屋敷の庭で。左から菊池寛、芥川、武藤長蔵(経済学者・歴史家)提供 日本近代文学館
※関連イベントはワークショップを除き参加無料です。定員になり次第申込を締め切ります。
■講演会※終了しました
芥川龍之介の講演旅行―紀行文「東北・北海道・新潟」をめぐって
講師:庄司達也(横浜市立大学教授)
5月21日(土) 13:30~15:00 会場:講堂 定員:150名
■年間文学講座2 芥川龍之介による切支丹物※終了しました
講師:大村梓(山梨県立大学准教授)
6月4日(土) 14:00~15:30 会場:研修室 定員:40名
*5月21日(土)より電話でお申し込みください。
■映画会「羅生門」 原作:芥川龍之介 1950年 大映 88分※終了しました
監督:黒澤明 出演:三船敏郎、森雅之、京マチ子 他
6月5日(日) 13:30~ 会場:講堂 定員:150名
※5月22日(日)より電話でお申し込みください。
■ワークショップ 消しゴムはんこで“河童”を描こう!※終了しました
講師:アオヤギ ルミ(消しゴムはんこ作家)
5月29日(日) 10:00~11:30、14:00~15:30 会場:研修室
定員:午前・午後各15名(小学校4年生以上)
材料費:500円
*4月26日(火)より電話でお申し込みください。
■閲覧室資料紹介「芥川龍之介再発見」※終了しました
様々な角度から芥川の魅力を知ることのできる図書や関連資料を紹介。
資料は手に取ってご覧いただけます。
4月23日(土)~6月19日(日) 場所:1階 閲覧室 *入場無料
■特設展「芥川龍之介 生誕130年 旅の記憶」館内周遊マップ※終了しました
マップを持って、文学館内を巡ってみましょう!(マップは1Fチケットカウンターにて配布しています)
2階ロビーでは、「芥川龍之介の旅のことば」として、タペストリー展示を行っています♪写真撮影OKです!
また1F喫茶スペースに設置した「芥川ブックコーナー」では、芥川の作品を手に取ってご覧いただけます。