展覧会


展覧会情報

新収蔵品展
2024年1月27日(土)~3月24日(日)

開催概要

 令和4年度から令和5年度にかけて、当館が新たに収蔵した資料の中から、作家の直筆原稿や書簡、色紙や掛け軸などの書画を展示します。
作家の個性豊かな筆跡の魅力とともに、資料から読み解ける交友関係や日常の様子、創作の背景を紹介いたします。

 

【名称】新収蔵品展

【会場】山梨県立文学館 展示室C

【会期】2024年1月27日(土)~3月24日(日)

【休館日】月曜日(2月12日は開館)、2月13日(火)

【開館時間】展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)

      閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)

【観覧料】観覧無料

 

※下記リンクより、新収蔵品展のチラシ(PDF)をダウンロードできます。

おもな展示資料

芥川龍之介 小澤衷平(碧童)宛書簡 1920(大正9)年12月14日(写真は末尾部分)

 

 小澤碧童(おざわ へきどう)は、芥川龍之介が俳句を通じて交友を結んだ俳人で、書や篆刻にも勝れた文人。
 芥川のこの書簡は、碧童の母が怪我をしたと聞いての見舞いの言葉に始まり、芥川自身の作品集『夜来の花』の題字を書いてもらった礼を述べるほか、互いの雅号の話、書画骨董への関心などを綴っている。最後には、執筆中の短編『山鴫』が進まぬことにふれ、『山鴫』を詠み込んだ短歌を添えて結んでいる。古今東西の文芸や書画、美術に通じ、短歌や俳句の創作にも才能をみせた芥川らしい内容となっている。

 

 

 

太宰治 山崎剛平宛葉書 1939(昭和14)年6月27日消印

 

 太宰がこの年6月、山崎剛平に宛てた4通の葉書を展示する。写真はその内の1通。
 当時太宰は、甲府市御崎町(みさきちょう 現 甲府市朝日)で新婚生活を送っていた。宛名の山崎剛平は歌人で、1935年に創業した砂子屋書房から、太宰の作品集『女生徒』を1939年7月に刊行している。葉書では「『女生徒』まだ、できませぬか。毎日、待つて、このごろ、くたびれてしまひました」「今月中には、できませうか」などと、刊行を催促する言葉が続く。なお、『女生徒』の表紙は、太宰の妻、美知子の三姉の夫の山田貞一が手がけており、その原画も今回併せて展示する。

 

 

 

飯田龍太「落葉踏む足音いづこにもあらず」短冊〈寄託資料〉

 

 龍太は、「雲母」1965年12月号に、この年10月27日に逝去した母菊乃を悼む一連の作品10句を、「忘音」と題して発表。その冒頭の一句をしたためた短冊。この句は、のち、句集『忘音(ぼうおん)』(1968年11月 牧羊社)に収録されている。
 短冊は、龍太の主宰誌「雲母」編集同人の福田甲子雄旧蔵のもの。

 

 

 

この他の主な展示資料
・木々高太郎原稿 「柊雨堂夜話」「葡萄」「医学生と首」ほか
・井伏鱒二「笠雲」原稿             ・林 芙美子「記憶の遍歴」原稿
・武田泰淳「宋美鈴と宋慶齢」原稿        ・熊王徳平「甲州に生きる」原稿
・伊藤左千夫 蕨真一郎宛書簡(巻子)
・柳原白蓮「八ヶ岳に夏の日させど小淵沢秋はやくしてひぐらしのなく」碑文原稿軸装
・飯田蛇笏 木俣修宛書簡            ・飯田龍太「異境の花」原稿
・福田甲子雄「生誕も死も花冷えの寝間ひとつ」色紙                 ほか