文学作品や作家たちのエピソードには、印象的な食の場面が登場します。芥川龍之介が夢中になった甲州葡萄、スープ皿に映った富士山を詩にした田中冬二、飯田龍太が贈った甲州の山女魚を絵にした井伏鱒二......。作家の食へのこだわりをさぐると、好き嫌いがあったり、思い出の食べ物があったり......。本展では、文学のなかのおいしいシーンを、直筆資料とともに紹介します。
【名称】開館35周年記念 特設展「文学はおいしい」
【会場】山梨県立文学館 展示室C
【会期】2024年7月13日(土)~8月25日(日)
【休館日】月曜日(7月15日、8月12日は開館)、7月16日(火)
【開館時間】展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)
閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)
【観覧料】常設展観覧料でご覧いただけます
一般 330円(260円) 大学生 220円(170円)
※()内は20名以上の団体料金・県内宿泊者割引料金です。
※高校生以下の児童・生徒、65歳以上の方、障害者手帳を
ご持参の方、およびその介護をされる方は無料です。
※下記リンクより、展覧会のチラシ(PDF)をダウンロードできます。
芥川龍之介 山本喜誉司(きよし)宛書簡(末尾部分) 個人蔵
1910(明治43)年10月14日(推定)
第一高等学校1年の秋、山梨で行われた行軍演習を終えた後、友人の山本へ宛てた手紙。 山本は府立第三中学校時代の親友で、後に芥川が結婚する塚本文の叔父。 手紙では演習中の様子を伝えた後、追伸には「甲州葡萄の食ひあきを致し候 あの濃き紫に白き粉のふける色と甘き甘き汁の滴りとは僕をして大に甲斐を愛せしめ候」と甲州葡萄に魅了された様子を記している。
飯田龍太宛幸富講寄せ書き(部分)1969年7月6日 井伏鱒二画・書 寄託資料
飯田龍太が甲州の栃代川で釣り上げた山女魚6尾を白焼きにして、東京の幸富講の仲間へ贈った。これを幸富講の人々が賞味した際に寄せ書きをしたため、龍太へ返礼として贈った。「幸富講(こうふこう)」とは、井伏鱒二を中心とする作家、編集者、建築家などの集まり。 寄せ書きの冒頭には、井伏鱒二が山女魚の絵を描き、「龍太氏給与の山女魚を食らひ廣瀬三郎君の快復を祝ふ会 井伏鱒二」と記している。
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山梨県の郷土食「ほうとう」についての随想。 |
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河口湖畔の富士ビューホテルでの朝の食卓の場面をよんだ詩。詩集『葡萄の女』(1966年昭森社)に所収。後日、富士ビューホテル敷地の河口湖畔に文学碑が建てられた。 |
関連イベント
◇消しゴムはんこづくりワークショップ
【日時】7月28日(日) 午前の部10:00~11:30 午後の部14:00~15:30
【講師】アオヤギ ルミ(消しゴムはんこ作家) 【会場】研修室
【対象】小学4年生以上 定員30名(午前の部15名、午後の部15名)
【材料費】500円
◇講座(年間文学講座3)「作家が描いた甲州の食あれこれ」
【日時】8月12日(月・振休) 14:00~15:30
【講師】高室 有子(当館学芸幹) 【会場】研修室(定員60名)
◇チャレンジクイズ&スタンプラリー
特設展「文学はおいしい」では、小・中・高校生を対象にしたチャレンジクイズ&スタンプラリーを実施しています。挑戦した方には、素敵な景品があります。
【期間】7月13日(土)~8月25日(日)
【対象】小・中・高校生(大人の方もチャレンジ可)
※景品は無くなり次第終了。
閲覧室資料紹介
◇「たべもの百景」
7月12日(金)~8月25日(日)
おいしそうな食べ物や料理が登場する文学作品を、図書や雑誌で紹介します。
資料は手に取ってご覧いただけます。 【場所】1階閲覧室 ※入場無料