金子兜太(かねこ とうた、1919~2018 埼玉県小川町生まれ)は、太平洋戦争での従軍体験を経て、戦後の社会性俳句、前衛俳句運動を担う若手俳人として注目を集めました。以後、昭和・平成の俳壇に大きな足跡を残し、歿後6年を経た今も影響力を与え続けています。代表句「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)どれも腹出し秩父の子」「彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン」をはじめとする作品、飯田龍太ら同時代の俳人や文学者との交流、俳人の枠をこえた幅広い活動の様子を取り上げます。
金子兜太 96歳 2015年 撮影 樋口一成
金子兜太(かねこ とうた)(1919~2018)
旧制水戸高等学校在学中の1937(昭和12)年にはじめて句会に参加し、本格的に句作をはじめる。1941年に東京帝国大学経済学部在学中、加藤楸邨(しゅうそん)主宰の「寒雷(かんらい)」に投句し、楸邨に師事する。
大学卒業後、日本銀行へ入行、その後、海軍主計中尉としてトラック島に赴任、餓死者が相次ぐなか奇跡的に命拾いをし、終戦後の1946年11月に復員した。
1947年、日本銀行へ復職する一方、「寒雷」へ復帰し、沢木欣一(きんいち)の「風」創刊に参加、社会性俳句運動に共鳴する。1960年頃より前衛俳句の旗手として注目を集め、80年代には俳句雑誌「海程」の主宰となり、現代俳句協会会長を務めた。
【名称】開館35周年記念 企画展「金子兜太展 しかし日暮れを急がない」
【会場】山梨県立文学館 展示室C
【会期】2024年9月14日(土)~11月24日(日)
【休館日】月曜日(9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、
9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
【開館時間】展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)
閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)
【観覧料】一般 600円(480円) 大学生 400円(320円)
※( )内は20名以上の団体料金、前売券、県内宿泊者割引料金
※高校生以下の児童・生徒、県内在住の65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
※障害者手帳をご持参の方、およびその介護をされる方は無料
※前売券は当館受付で9月13日(金)まで販売
※11月20日(水)県民の日はどなたでも無料
※下記リンクより、展覧会のチラシ(PDF)をダウンロードできます。
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金子兜太 父 元春宛書簡 (部分) |
![]() 金子兜太「彎曲し火傷し爆心地のマラソン」色紙 |
『金子兜太句集』(1961年 風発行所)に、日本銀行長崎支店勤務しているときの作。
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金子兜太 筆 「秩父俳句道場」 |
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金子兜太「春落日しかし日暮れを急がない」色紙 |
![]() 金子兜太 遺作となった9句の句稿 |
「海程」第541号(2018年4月)掲載
関連イベント
◇講演会「兜太と龍太 ―その交友の歳月―」
【講師】井上康明(俳人・「郭公」主宰)
【日時】9月16日(月・祝) 13:30~15:00
【会場】講堂 【定員】300名 要申込 参加無料
◇講演会「金子兜太さんのこと」
【講師】佐佐木幸綱(歌人・国文学者・「心の花」主宰)
【聞き手】三枝昻之(当館館長)
【日時】9月29日(日) 13:30~14:30
【会場】講堂 【定員】300名 要申込 参加無料
◇座談会「兜太作品の原点を語る -第一句集『少年』・第二句集『金子兜太句集』を中心に-」
【出演】高野ムツオ(俳人・「小熊座」主宰)
高山れおな(俳人・「豈」「翻車魚」同人)
佐藤文香(俳人・「翻車魚」「鏡」同人)
【日時】10月26日(土) 13:30~15:00
【会場】講堂 【定員】300名 要申込 参加無料
◇ワークショップ はんこ彫り(篆刻)をしよう!
【講師】望月煌雅氏(甲州手彫印章 伝統工芸士)
【日時】10月27日(日) 13:30~15:30
【会場】研修室
【定員】20名(小学4年生以上) 要申込(9月10日申込開始) 材料費800円
※ポスター・チラシ等では材料費500円となっていますが、正しくは材料費800円になります。
◇講座(年間文学講座3)「金子兜太展のみどころ」
【講師】中野和子(当館学芸員)
【日時】10月6日(日) 14:00~15:10
【会場】研修室 【定員】60名 要申込 参加無料
◇映画会 「天地悠々 兜太・俳句の一本道」
【日時】11月9日(土) 13:30~15:00
【内容】2019年 原作・監督 河邑厚徳 出演 金子兜太
【会場】講堂
【定員】300名 要申込(10月11日申込開始) 入場無料
閲覧室資料紹介
◇「俳句への誘い」
【期間】9月13日(金)~11月24日(日)
【会場】1階 閲覧室 ※入場無料
金子兜太や俳句に関する図書・雑誌を紹介します。資料は手に取ってご覧いただけます。