展覧会


展覧会情報

開館35周年記念 企画展

金子兜太展
しかし日暮れを急がない

2024年9月14日(土)~11月24日(日)

開催概要

 金子兜太(かねこ とうた、1919~2018 埼玉県小川町生まれ)は、太平洋戦争での従軍体験を経て、戦後の社会性俳句、前衛俳句運動を担う若手俳人として注目を集めました。以後、昭和・平成の俳壇に大きな足跡を残し、歿後6年を経た今も影響力を与え続けています。代表句「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)どれも腹出し秩父の子」「彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン」をはじめとする作品、飯田龍太ら同時代の俳人や文学者との交流、俳人の枠をこえた幅広い活動の様子を取り上げます。

 

 

金子兜太 96歳 2015年 撮影 樋口一成

 

金子兜太(かねこ とうた)(1919~2018)

 旧制水戸高等学校在学中の1937(昭和12)年にはじめて句会に参加し、本格的に句作をはじめる。1941年に東京帝国大学経済学部在学中、加藤楸邨(しゅうそん)主宰の「寒雷(かんらい)」に投句し、楸邨に師事する。
 大学卒業後、日本銀行へ入行、その後、海軍主計中尉としてトラック島に赴任、餓死者が相次ぐなか奇跡的に命拾いをし、終戦後の1946年11月に復員した。
 1947年、日本銀行へ復職する一方、「寒雷」へ復帰し、沢木欣一(きんいち)の「風」創刊に参加、社会性俳句運動に共鳴する。1960年頃より前衛俳句の旗手として注目を集め、80年代には俳句雑誌「海程」の主宰となり、現代俳句協会会長を務めた。

 

 

【名称】開館35周年記念 企画展「金子兜太展 しかし日暮れを急がない」

【会場】山梨県立文学館 展示室C

【会期】2024年9月14日(土)~11月24日(日)

【休館日】月曜日(9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、
     9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)

【開館時間】展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)

      閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)

【観覧料】一般 600円(480円) 大学生 400円(320円)

 ※( )内は20名以上の団体料金、前売券、県内宿泊者割引料金

 ※高校生以下の児童・生徒、県内在住の65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)

 ※障害者手帳をご持参の方、およびその介護をされる方は無料

 ※前売券は当館受付で9月13日(金)まで販売

 ※11月20日(水)県民の日はどなたでも無料

 

 ※下記リンクより、展覧会のチラシ(PDF)をダウンロードできます。

おもな展示資料

 

金子兜太 父 元春宛書簡 (部分)
1944(昭和19)年11月1日

 この年3月に赴任した戦地のトラック島で書かれたと思われる。2枚目には戦地での作6句が記されている。元春(1889~1977)は開業医で俳人、俳号・伊昔紅(いせきこう)。

 

 

 

金子兜太「彎曲し火傷し爆心地のマラソン」色紙

 『金子兜太句集』(1961年 風発行所)に、日本銀行長崎支店勤務しているときの作。

 

 

 

 

金子兜太 筆 「秩父俳句道場」
の会場に掲げた看板


 「秩父俳句道場」は、兜太を中心とする「海程」同人たちの鍛錬句会。1979年から2017年まで続いた。

  

金子兜太「春落日しかし日暮れを急がない」色紙

 『両神』(1995年 立風書房)所収

 

 

金子兜太 遺作となった9句の句稿

 「海程」第541号(2018年4月)掲載

 

 


 

関連イベント

 

◇講演会「兜太と龍太 ―その交友の歳月―」

【講師】井上康明(俳人・「郭公」主宰)
【日時】9月16日(月・祝) 13:30~15:00
【会場】講堂 【定員】300名 要申込 参加無料

 

◇講演会「金子兜太さんのこと」

【講師】佐佐木幸綱(歌人・国文学者・「心の花」主宰)
【聞き手】三枝昻之(当館館長)
【日時】9月29日(日) 13:30~14:30
【会場】講堂 【定員】300名 要申込 参加無料

 

◇座談会「兜太作品の原点を語る -第一句集『少年』・第二句集『金子兜太句集』を中心に-」

【出演】高野ムツオ(俳人・「小熊座」主宰)
    高山れおな(俳人・「豈」「翻車魚」同人)
    佐藤文香(俳人・「翻車魚」「鏡」同人)
【日時】10月26日(土) 13:30~15:00
【会場】講堂 【定員】300名 要申込 参加無料

 

◇ワークショップ はんこ彫り(篆刻)をしよう!

【講師】望月煌雅氏(甲州手彫印章 伝統工芸士)
【日時】10月27日(日) 13:30~15:30
【会場】研修室
【定員】20名(小学4年生以上) 要申込(9月10日申込開始) 材料費800円
※ポスター・チラシ等では材料費500円となっていますが、正しくは材料費800円になります。

 

◇講座(年間文学講座3)「金子兜太展のみどころ」

【講師】中野和子(当館学芸員)
【日時】10月6日(日) 14:00~15:10
【会場】研修室 【定員】60名 要申込 参加無料

 

◇映画会 「天地悠々 兜太・俳句の一本道」

【日時】11月9日(土) 13:30~15:00
【内容】2019年 原作・監督 河邑厚徳 出演 金子兜太
【会場】講堂
【定員】300名 要申込(10月11日申込開始) 入場無料

 


 

閲覧室資料紹介

 

◇「俳句への誘い」

【期間】9月13日(金)~11月24日(日)
【会場】1階 閲覧室 ※入場無料
金子兜太や俳句に関する図書・雑誌を紹介します。資料は手に取ってご覧いただけます。