展覧会


展覧会情報

特別展示 「文豪の筆跡」
―館蔵の名品から―
2023年5月1日(月)~6月11日(日)

開催概要

 書は人なり―書いた文字には、その人の性格や人柄があらわれるといいます。森鷗外、夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介、太宰治など、文学史にその名を残した文豪は、どんな文字を書いていたのでしょう。原稿や手紙など直筆の資料から、個性あふれる筆跡の魅力をご覧いただくとともに、資料にひそむドラマチックな背景を紹介します。

 

 

【名称】特別展示「文豪の筆跡」―館蔵の名品から―

【会場】山梨県立文学館 展示室C

【会期】2023年5月1日(月)~6月11日(日)

【休館日】月曜日

【開館時間】展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)

      閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)

【観覧料】常設展観覧料でご覧いただけます

 一般 330円(260円) 大学生 220円(170円)

 ※( )内は20名以上の団体料金・県内宿泊者割引料金です。

 ※高校生以下の児童・生徒、65歳以上の方、障害者手帳を

  ご持参の方、およびその介護をされる方は無料です。

 

※下記リンクより、企画展のチラシ(PDF)をダウンロードできます。

おもな展示資料

芥川龍之介筆「諸君は何の為に文章を作るや」

 

 

 

正岡子規「財布賛」軸装 1902(明治35)年1月 寄託資料

 「財布賛」は、子規が歌人の岡麓(おか ふもと)にもらった二円入りの財布に寄せて、禅の教本「碧厳録」(へきがんろく)の偈文(げぶん)を模して創作した。この書は、子規の没後、門下の長塚節(ながつか たかし)の手元に渡ったが、その後、新免一五坊(しんめん いちごぼう)へ譲られた。一五坊は子規晩年の門弟で、当時は山梨県明見村(現・富士吉田市)に在住し、山梨に子規の唱えた短歌・俳句革新の新風を吹き込んだ。

夏目漱石 白仁三郎宛書簡 1907(明治40)年3月11日(写真は末尾部分と封筒) 

 本名の夏目金之助の名で出された書簡。東京朝日新聞社に入社し専属作家になるにあたり、同社社員の白仁(しらに)宛に、様々な条件や要望をこの書簡で伝えた。正式に朝日新聞社の専属作家となった後、「虞美人草」「三四郎」「それから」「心」等、連載小説を次々に発表した。白仁は、坂元雪鳥(さかもと せっちょう)の名で能楽評論家としても活躍した人物。

 

 

 

森鷗外「灰燼」第1回原稿「三田文学」第2巻第10号 1911(明治44)年10月掲載

 「灰燼」(かいじん)は、1912年12月、第3巻第12号まで、1回の休載を挿んで11回にわたって連載されたが未完に終わった長編小説。原稿は鉛筆書きによる。

 

 

 

太宰治 井伏鱒二宛書簡 1936(昭和11)年9月15日消印(写真は部分)

 太宰は弘前高等学校を卒業後、1930(昭和5)年、東京帝国大学に入学。かねて注目していた作家井伏鱒二を訪ねて師事した。作家として文壇にデビューする一方、心中未遂事件をおこし、1935年4月、急性盲腸炎で入院中にパビナール中毒にかかり、長く苦しむ。1936年2月に10日間入院、6月には第1創作集『晩年』を刊行し、第3回芥川賞を熱望したが、受賞は果たせなかった。

 

 

 

このほかの主な展示資料
・長塚節 新免一五坊宛書簡 1902(明治35)年12月6日
・田山花袋「文章世界」創刊号(1906年3月)立案原稿
・小出楢重画「文章世界」表紙原画 第15巻第11号 1920年11月 寄託資料
・夏目漱石 志賀直哉宛書簡 1914(大正3)年2月2日
・芥川龍之介「文芸的な、余りに文芸的な(三十五歳の小説論)」原稿 「改造」1927(昭和2)年4月掲載
・谷崎潤一郎「饒舌録」原稿   「改造」1927(昭和2)年10月掲載
・室生犀星「かげろふの日記遺文」原稿 「婦人之友」1958年7月~1959年6月連載   ほか

 

 

 

関連イベント

 

■講演会「文学資料をどう読み解くか-毛筆・ペン・鉛筆の間-」 ※終了しました

  【日時】5月5日(金・祝) 13:30~15:00

  【講師】中島 国彦(早稲田大学名誉教授・日本近代文学館理事長)

  【会場】講堂 【定員】150名

  【申込方法】電話または、申込フォームからお申し込みください。
       (定員になり次第、締め切ります。)  TEL 055-235-8080

 

 

■年間文学講座3「資料から読む作家の交友」

  【日時】6月4日(日) 14:00~15:10

  【講師】高室 有子(当館学芸幹)

  【会場】研修室 【定員】60名

  【申込方法】電話でお申し込みください。
       (定員になり次第、締め切ります。)  TEL 055-235-8080