展覧会


展覧会情報

開館35周年記念 特設展
生誕140年 歿後50年 中村星湖展
2024年4月27日(土)~6月23日(日)

開催概要

 1907(明治40)年、自然主義文学の隆盛期に小説「少年行(しょうねんこう)」で文壇に登場した中村星湖(なかむら せいこ 1884~1974)の生涯と作品を取り上げます。当館においては1994(平成6)年の企画展以来、30年ぶりの展覧会です。改めて明治、大正、昭和を生きた郷土の文学者が残した仕事を紹介します。

 

 

早稲田大学在学中 1906(明治39)年12月 22歳

 

中村星湖(1884~1974)

 山梨県富士河口湖町(旧 河口村)生まれ。本名將爲(まさため)。早稲田大学在学中に応募した小説「少年行」が一等に選ばれ、自然主義作家として知られるようになる。卒業後、「早稲田文学」の記者となり、1919(大正8)年まで在社。小説だけでなく、フローベールやモーパッサンの作品を翻訳し、鈴木三重吉の児童雑誌「赤い鳥」に童話を発表。さらに、民衆芸術、農民文学運動に関わる評論活動など幅広い分野で活躍した。

 

 

【名称】開館35周年記念 特設展 生誕140年 歿後50年 中村星湖展

【会場】山梨県立文学館 展示室C

【会期】2024年4月27日(土)~6月23日(日)

【休館日】月曜日(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)

【開館時間】展示室 9:00~17:00(入室は16:30まで)

      閲覧室 9:00~19:00(土・日・祝日は18:00まで)

【観覧料】常設展観覧料でご覧いただけます

 一般 330円(260円) 大学生 220円(170円)

 ※()内は20名以上の団体料金・県内宿泊者割引料金です。

 ※高校生以下の児童・生徒、65歳以上の方、障害者手帳を

  ご持参の方、およびその介護をされる方は無料です。

 

 ※下記リンクより、企画展のチラシ(PDF)をダウンロードできます。

おもな展示資料

中村星湖「少年行」原稿 「早稲田文学」第18号 1907(明治40)年5月掲載

 「早稲田文学」懸賞長編小説の一等に当選した作品。選者は島村抱月(ほうげつ)と二葉亭四迷(ふたばてい しめい)。富士山麓の美しい自然を背景に、主人公奈良原武(ならはら たけし)と転入生宮川牧夫(みやがわ まきお)の友情と成長、別れを描いた。

 

 

中村星湖画 パリの下宿の窓から見た風景 油彩

 1928(昭和3)年5月、フランス留学のため神戸から乗船し6月にパリ着。10月、本間久雄とチェコの国際民俗芸術会議に参加、11月、スイスにロマン・ロランを訪ねた。その他、ヨーロッパ各国を精力的に訪れ、翌年5月、帰路に就いた。

 

 

中村星湖『文化は郷土より』1943(昭和18)年4月 大智書房

 都市には文明はあるが文化に乏しく、地方は文明に遠ざかつているが文化がある、何もないような所に人間が継承してきた宝がひそんでいると述べている。
 1940(昭和15)年4月、富士五湖地方文化協会が結成され、機関誌「五湖文化」が創刊されると、星湖は編集にあたった。小説、随筆、詩、短歌などとともに、地域の祭礼や地名、方言の考察など民俗学的な文章を集め、みずからも執筆した。戦中は、杉並の自宅から郷里河口村に疎開、地元の文学芸術等文化振興に尽力した。
 1967(昭和42)年、星湖が発足にかかわった山梨県出身の在京文化人の団体山人会は、「中村星湖文学賞」を制定、2022(令和4)年3月の山人会解散まで35回を数えた。

 


 

関連イベント

◇講演会「中村星湖 自然主義文学の再評価の中で」

【日時】5月18日(土) 午後1時30分~午後3時
【講師】中丸 宜明(法政大学教授)
【会場】研修室 定員100名 無料
※電話またはホームページの「イベント」欄の申込みフォームからお申込みください。
 先着順で定員になり次第締切となります。

◇講座(年間文学講座3)「資料から見える中村星湖の人と作品」

【日時】6月2日(日) 午後2時~午後3時10分
【講師】保坂 雅子(当館学芸課長)
【会場】研修室 定員60名 無料
※電話でお申込みください。
 講座は、4月20日(土)より申込みを開始します。

 


 

閲覧室資料紹介

◇「もっと知りたい中村星湖」

4月26日(金)~6月23日(日)
中村星湖の著作や関連の図書・雑誌を紹介。資料は手に取ってご覧いただけます。
【場所】1階閲覧室 ※入場無料