山梨県立文学館館長三枝 昻之
二人の同じ愛読書が本棚に並んでいる。ある短歌大会にこんな新婚の歌がありました。本はその人の心のシンボル。一冊の本が人生を小さく変えることも少なくありません。私の場合は飯田龍太俳句との出会いでした。日本有数の山に囲まれた故郷山梨を息苦しいと感じていた私に「水澄みて四方に関ある甲斐の国」などの龍太俳句が、山々に抱かれる暮らしの豊かさを教えてくれたのです。
「文学」というと何か難しくて敷居が高いと感じますが、実は私たちの喜びや悩み、如何に生きるかを問う人生の手探りなど、暮らしに近しい営みです。一人の作家と出会い、その息遣いに接し、対話する。その喜びを知っていただくために、そして文学をより身近なものにするために、文学館はこれからもさまざまな工夫を重ねてゆきます。どうかご支援をお願いいたします。
山梨県立文学館は、山梨県出身やゆかりの文学者の資料を調査・研究し、文学に関する知識教養を深め、文化の発展に寄与することを目的に平成元年十一月三日に開館いたしました。
日本の文学史に業績を残した樋口一葉や芥川龍之介、飯田蛇笏等の資料を収集・保存し、展示・公開を行っています。
また広く文学に関する創作や研究の発表の機会を提供しています。
さらに文化活動の「場」として多くの方々にご利用いただき、これからも文化の継承と発展につとめてまいります。
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文学館構想策定懇話会設置 委員17人委嘱 |
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山梨県立文学館建設基金条例及び山梨県文学資料取得基金条例制定 |
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教育庁文化課内に文学館建設推進担当設置 | |
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山梨県立文学館建設懇話会16名委嘱 |
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起工式 | |
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教育庁に文学館建設準備室設置 |
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山梨県立文学館設置 |
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山梨県立文学館開館記念式典挙行 | |
「芸術の森公園」竣工 | ||
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山梨県立文学館オープン | |
開館記念展「山梨の文学」(~2月18日) | ||
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三好行雄館長逝去 |
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観覧者10万人に達す | |
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紅野敏郎氏(早稲田大学名誉教授)館長に就任 |
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やまなし文学賞制定 |
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観覧者50万人に達す |
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開館10周年記念式典挙行 |
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近藤信行氏 館長に就任 |
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美術館・文学館・芸術の森公園の管理業務に指定管理者制度を導入 |
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開館20周年、常設展示室リニューアルオープン、飯田蛇笏・飯田龍太記念室開設 |
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観覧者100万人に達す |
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三枝昻之氏 館長に就任 |
所在地 | 山梨県甲府市貢川1-5-35 |
開 館 | 1989(平成元)年11月3日 |
施工期間 | 1987(昭和62)年11月~1989(平成元)年3月 |
設計・監理 | 大宇根・江平建築事務所 |
建築面積 | 3,258㎡ |
延床面積 | 6,168.19㎡ |
展示室等面積 | |
展示室 | 998,99㎡ |
閲覧室 | 246.55㎡ |
講堂 | 舞台117.04㎡ / 客席483.92㎡ |
研修室 | 159.03㎡ |
当館では、館の運営、事業の充実に向けて、県民の皆さんからご意見をいただく「山梨県立文学館協議会」を設置しています。
当館では、2009年4月から総務部門に指定管理者制度を導入しました。(博物館機能に直接関わり、中・長期的な対応が求められる学芸部門は直営とし、人的・経費的に導入効果が顕著な総務部門にのみ導入しました。隣接する美術館、芸術の森公園も含め3施設を一体として管理運営しています。)
文学館開館当初から、ボランティア活動を通して、来館していただいた皆さんに気持ちよく利用していただくため文学館協力員を配しております。山梨県立文学館協力会は、協力員を会員とする組織です。
「友の会」では、文学館を多くの皆様に利用していただくため、当館が行う文学イベント等の情報を提供しています。会員は毎年、随時募集しております。期間途中でも入会・退会が可能です。