金子兜太(かねこ とうた、1919~2018 埼玉県小川町生まれ)は、太平洋戦争での従軍体験を経て、戦後の社会性俳句、前衛俳句運動を担う若手俳人として注目を集めました。以後、昭和・平成の俳壇に大きな足跡を残し、歿後5年を経た今も影響力を与え続けています。代表句「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)どれも腹出し秩父の子」「彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン」をはじめとする作品、飯田龍太ら同時代の俳人や文学者との交流、俳人の枠をこえた幅広い活動の様子を取り上げます。
文学作品には、食の場面が多く登場します。作家たちの食へのこだわりを探ると、好き嫌いがあったり、忘れられない思い出の食べ物があったり......。料理本を手がける作家も意外に多いのです。芥川龍之介と甲州葡萄、太宰治と甲府の豆腐屋さん......。文学のおいしいシーンを紹介します。
1907(明治40)年、自然主義文学の隆盛期に小説「少年行(しょうねんこう)」で文壇に登場した中村星湖(なかむら せいこ 1884~1974)の生涯と作品を取り上げます。当館においては1994(平成6)年の企画展以来、30年ぶりの展覧会です。改めて明治、大正、昭和を生きた郷土の文学者が残した仕事を紹介します。
令和4年度から令和5年度にかけて、当館が新たに収蔵した資料の中から、作家の直筆原稿や書簡、色紙や掛け軸などの書画を展示します。
作家の個性豊かな筆跡の魅力とともに、資料から読み解ける交友関係や日常の様子、創作の背景を紹介いたします。
春の常設展では、深沢七郎(1914~1987 小説家 山梨県笛吹市生まれ)の生誕110年を記念した展示を行います。