井伏鱒二の生誕120年を記念して、下部温泉、増富ラジウム温泉、疎開した甲府など、井伏が山梨各地に残した足跡や、俳人の飯田蛇笏・龍太親子との交流を、当館収蔵の原稿、書簡、書画などを中心にたどっていきます。
◇写真:1966年5月 取材のため下部温泉を訪れた井伏
本名井伏満寿二(いぶしますじ)
昭和期の日本文学を代表する作家として「山椒魚(さんしょううお)」「ジョン万次郎漂流記」「黒い雨」などの名作を残した。
東京府井荻村(現・杉並区清水)に居を構えた1927(昭和2)年以後、小説の取材や趣味の川釣りのためしばしば山梨を訪れた。1938(昭和13)年、太宰治を御坂峠の天下茶屋に誘い、結婚に至るまでの世話をし、1944(昭和19)年に甲府に疎開した折にも、その後疎開をしてきた太宰と交流を持った。また俳人の飯田蛇笏・龍太親子とも長きにわたり親交をあたため、龍太とは40年近くにわたり書簡を交わしている。
「侘助(わびすけ)」「七つの街道」「小黒坂(こぐろさか)の猪」「岳麓点描(がくろくてんびょう)」など、山梨を舞台にした作品も数多く執筆した。
名 称: 特設展 生誕120年 井伏鱒二展 旅好き釣り好き 温泉好き
会 場: 山梨県立文学館
会 期: 2018年4月28日(土)~6月17日(日)
休 館日: 月曜日(4月30日は開館)
開館時間: 午前9:00~午後5:00(入室は午後4:30まで)
主 催: 山梨県立文学館
【観覧料】常設展観覧料でご覧いただけます。
一般:320円(250円)、大学生:210円(170円)
*( )内は20名以上の団体料金、県内宿泊者割引料金
*高校生以下の児童・生徒は無料
*65歳以上の方は無料(健康保険証等持参)
*障害者手帳をご持参の方、およびその介護をされる方は無料
井伏鱒二「二つの話」原稿
当館蔵
「展望」第4号(1946年4月)掲載
井伏鱒二 富士川周辺の絵地図 当館蔵
井伏鱒二
「あの山は誰の山だ どつしりとしたあの山は」軸装
当館寄託
・原稿・草稿
「頓生菩提」「二つの話」 「本日休診」「甲斐の黒駒」「釣宿」「旧・笛吹川の趾地」
・ 書画
「はなにあらしのたとへもあるぞさよならだけが人生だ」
「今宵は仲秋名月初恋を偲ぶ夜われら萬障くりあはせよしの屋でひとり酒をのむ」
幸富講寄せ書き
・ 書簡
飯田龍太との往復書簡、太宰治 井伏鱒二宛書簡、深沢七郎 井伏鱒二宛書簡
熊王徳平、一瀬稔、中込重春、野上照代などに宛てた書簡
○町田康 講演会「井伏鱒二の笑いと悲しみ」
6月10日(日)午後1時30分~
講師:町田康(作家) 会場:講堂 定員500名 要申込 聴講無料
○ワークショップ「羊毛フェルトで山椒魚を作ろう!」
6月2日(土)午後1時30分~
講師:小澤美智子(フィトンチッド工房主宰)
会場:研修室 対象:小学校以上 定員25名 材料費500円 要申込
○映画鑑賞会「黒い雨」
5月20日(日)午後1時30分~ 原作井伏鱒二 監督 今村昌平
出演 田中好子、北村和夫、市原悦子ほか 東映 1989年
会場:講堂 定員500名 申込不要 鑑賞無料
○年間文学講座3「山梨の文学」第1回「井伏鱒二と山梨」
5月12日(土)午後2時~ 講師中野和子(当館学芸員)
会場:研修室 定員150名 要申込 聴講無料
(年間文学講座3は5、7、12月に3回開講される文学講座)
※ 要申込のイベントは、お電話か当館受付でお申込みください。
ワークショップは材料費がかかります。
○閲覧室資料紹介「井伏鱒二を読む」
4月28日(土)~6月17日(日)
午後9:00~午後7:00まで(土日祝は午後6:00まで) 入場無料
会場:閲覧室
『黒い雨』、『本日休診』や、山梨を舞台にした『岳麓点描』などの著作や
研究書を紹介します。資料は手に取ってご覧いただけます