樋口一葉(1872~1896 本名
本展では、小説の草稿や和歌の
太宰治が青森中学校時代に作品を発表した同人誌である「蜃気楼」(当館初展示、全冊揃いでの所蔵は当館のみ)や、学生時代の芥川龍之介が友人とともに手書きで作った回覧雑誌など、作品発表の場となってきた文芸雑誌。一方、現代では若年層を中心にテーマや表現方法など自由に構成する冊子「ZINE(ジン)」の制作が広がっています。近代文学を彩ってきた文芸雑誌や、進化を続ける「ZINE」の現状を第1部、第2部に分けて紹介します。
「羅生門」や「歯車」など近代小説の名作で知られる芥川龍之介(1892~1927)は旅が好きで、北は北海道から南は九州まで足を運んでいます。また、当時としては珍しく海外にも旅行し、中国各地を訪れました。山梨・長野への徒歩旅行、失恋の傷を癒やした松江での日々、東北から北海道にかけての講演旅行など、目的は様々でしたが、各地での見聞は芥川の生活や作品に影響を与えました。当館の芥川コレクションを中心に、芥川の旅の軌跡をたどります。
夏・秋の常設展では、山梨県出身の芥川賞作家3名と直木賞作家4人を取り上げて紹介します。受賞作収録の単行本とともに、受賞作原稿や記念の時計などを展示します。
春の常設展では、1990(平成2)年に「プレーンソング」でデビューし、「この人の閾(いき)」(1995年)で芥川賞を受賞した保坂和志(1956年 山梨県生まれ)を紹介します。 デビュー作の「プレーンソング」浄書原稿、最新刊『猫がこなくなった』収録の短編「夜明けまでの夜」の自筆原稿など、約20点の資料を展示します。