「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(偕成社)は、作:廣嶋玲子 / 絵:jyajyaにより2013年5月から刊行されている児童小説シリーズ。2022年、第3回「小学生が選ぶ!"こどもの本"総選挙」では、その第一巻が第一位を獲得しました。銭天堂(ぜにてんどう)の店主・紅子(べにこ)が、悩みや望みにぴったりのものをすすめてくれますが、食べ方や使い方を間違えると......。はたしてその駄菓子は幸運を呼ぶか、はたまた不幸をまねくか......? 原画の展示や造作などによる作品の舞台を再現する多彩なディスプレイで、銭天堂の世界をお楽しみください。
書は人なり―書いた文字には、その人の性格や人柄があらわれるといいます。森鷗外、夏目漱石、谷崎潤一郎、芥川龍之介、太宰治など、文学史にその名を残した文豪は、どんな文字を書いていたのでしょう。原稿や手紙など直筆の資料から、個性あふれる筆跡の魅力をご覧いただくとともに、資料にひそむドラマチックな背景を紹介します。
世界最古の長編小説と言われる「源氏物語」は、後世の文学、美術に多大な影響を与え、時代を超えて人々を惹きつけてきました。本展では、与謝野晶子、谷崎潤一郎、円地文子、瀬戸内寂聴、林真理子など、近代以降、多くの作家が挑んだ「源氏物語」の現代語訳や「源氏物語」をもとにした創作小説などを、その魅力とともに紹介します。
甲府市北部に位置する御嶽昇仙峡(みたけしょうせんきょう)は古くから景勝地として知られ、多くの文学者がその造形美に魅了されました。1906(明治39)年1月、歌人の伊藤左千夫が雑誌「アララギ」の仲間と歌会を催した様子を記した山梨の歌人神奈桃村(かんなとうそん)の日記や、1933(昭和8)年10月、与謝野寛と晶子が昇仙峡を訪れた折りに詠んだ短歌の書などを展示します。
冬の常設展では、作家の肖像Ⅱとして芥川龍之介の肖像写真を紹介します。旧制第一高等学校時代に、親友の井川恭(後の恒藤恭)と撮影した若き日の作家の表情を、在学中の作文やエピソードとともにご覧いただけます。
富士山が世界文化遺産に登録されて10周年を迎えたことを記念し、山梨県立文学館では、富士山に関連する作品を展示いたします。芸術作品の中に描かれる富士山をご覧いただき、改めて富士山への愛着を感じていただきたいと思います。
常設展示室では、季節ごとの展示替えとともに、選りすぐりの資料を期間限定で紹介するコーナーを設けています。
春・夏の常設展では、作家の肖像Ⅰとして太宰治の肖像写真を紹介します。疎開先の青森から戻り、戦後の活躍を目前にした作家の表情を撮影時のエピソードとともにご堪能ください。
また、甲府出身の岩月英男が創業した双英書房発行の『パンドラの匣』収録のあとがき原稿など山梨ゆかりの資料を展示します。(会期中展示替えを行います)